Project


干渉する浮遊体



茨城県北地域の自然・産業・文化の歴史をテーマにしたハッカソンイベント、『KENPOKU Art Hack Day』において、
美しい干渉縞を生み出すシャボン膜を浮かべ、その美しさと向き合うインスタレーション作品『干渉する浮遊体』を制作しました。



私たちは豊かな自然とその中で発展した県北の地に、「干渉する浮遊体」の提案をする。
県北の地は豊かな鉱物に恵まれ、古くから鉱山町として発展し、やがて工業都市となった。
資源を利用する中で企業は発達し、この都市に住まう人々はそれらによって生活を支えられてきた。
一方で、人々は鉱毒水や煙害の被害を多く受けていた。また、鉱山は人々だけでなく、自然環境にも多くの影響を及ぼし、河川汚染や森林破壊を招く。
県北の歴史は工業の発展の歴史であると同時に、人間と自然との均衡の歴史でもあった。



この作品は、この地の幾つかの場所に置かれる。
鉱山の跡地、日鋼記念館周辺の森、日本加工製紙高萩工場跡地、集落内空家。都市の発達の中で人々がこの地に築き、その衰退によって生まれた空白の場所である。
これらの場所に、透明な大きな器を置く。器にはこの地に聞こえた様々な音が響き合っている。その場所毎に存在する環境と共に、この地の歴史を覆っている。





この器の中で空中に静止する球体を浮かべる。この球体は純粋な水と、化学物質の融合によって保たれる。
わずかに歪んだ不完全な球体は、周辺環境をその表面に映しながら、鮮やかな色彩を浮かべ、時間の中で揺らぎ、やがて失われていく。